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卒業式の日 7

俺は視線を真っ直ぐ前に向け、平然と心の中で、悪態をついている。

理由は単純だ。

この場には、どうしてだか嫌悪感しか持てないからだ。


最初は知らない場所にいて、訳がわかんなくて混乱したけど。
いざ、この場所で、何をしているのか理解したから、だろう。

どうにも落ち着かない。


そうさ。式なんてもんは暇だし、感動するもんでもないし。

目の前で粛々と行われている行事に、
それを見て涙ぐんでいる奴に、
無性に腹が立つからだ。

みっともない。涙なんて見せるんじゃない。
心の中で、隣の奴の態度に文句を云ってみる。
けれど、空しいだけだった。

そう。
俺はただ、素直に泣けるそいつが羨ましいのかもしれない。



……感激しちゃったらさぁ。
寂しいじゃんか。

心の中に、本音がぽつり、ぽつり、とこぼれ落ちていく。
卒業、なんて。
したくない、よな。

真面目にやらなきゃなんないんだし。
大人にならなきゃなんないんだし。
この先、一人ぼっちになるんだぞ?

馬鹿やってた時間とも、友達とも別れるんだし。
箱庭の中での、期限付きの自由が奪われてしまう。

そう思った瞬間、足元が崩れ去るように感じられた。

今居る、その先があまりに見えなくて。
だからこそ、今居る場所があまりに心地よいというのを実感して。

いや違うか。今ある場所を手放すのが怖いんだ。

けれど学生時代というのは無常にも、数年が過ぎれば追い出される。
たとえ、留年したところで、期限付きだ。
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