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雀(隣の家)8

満腹じゃわい。
そうこうする内に、爺さんの腹も心も満たされていきました。

あぁ、ここはどこだったっけなぁ?
爺さんはふと、奇妙な違和感を持ち始めます。
あぁ、そうか。
ばあさんが待っておるのう……。
ぼんやりとした頭で、爺さんは家に帰りたいと告げていました。


爺さんは長老に
『どちらがよろしいですかな?』
そう告げられておりました。

その言葉に、爺さんはじいさんに聞かされたことを思い出してきました。

……本当に、こんなことがあるもんだなぁ。
目を丸くしながら、爺さんは目の前に置かれた大小の葛籠を眺めます。


―――「もし同じことが起きたら、絶対に大きな葛籠を選ぶんだぞ」
じいさんは爺さんに近づきながら、こっそりと耳打ちします。
「どうしてだ?」
いきなりのことに、爺さんは身をよじります。
「そりゃもちろん。俺に対する情報提供料だ。
いいか、分け前の半分、きっちりと渡すんだぞ」

そういうものかいなぁ? 
と爺さんは疑問を持ちはしましたが。
「お、おう。わかった。まぁ、そうなれば、な」
爺さんはじいさんの迫力に押されて、わかったと答えてしまいました。


じいさんに云われた通り、爺さんは、迷わず大きな葛籠を選んでいました。

ぼんやりした頭をもたげながら、大きな葛籠を背負いつつ。
爺さんは元来た道を雀に船頭されながら、帰宅の途へと着きます。

キツネにつままれたように、ぼんやりする頭を持ちながら帰宅すると。
そこには、隣の家のじいさんとばあさん。
そして、爺さんの帰宅を今かと待っていた婆さんがおりました。

「心配したのですよ!」
婆さんが爺さんを見つけると、そう叫びましたが。
一目散に爺さんに駆け寄ってきたのは、じいさんでした。

「おぉおぉ、ほれみろ。やっぱり葛籠を貰ってきたじゃないか!」
はしゃぐじいさんに、頭がまだ働かない爺さんは、そうだなぁ。とだけ返しました。



「ほれ、さっさと開けてみろ」
じいさんに急かされるまま、爺さんは葛籠の紐を外そうとします。
けれど、しっかりと結ばれているせいで、中々外せません。
悪戦苦闘している爺さんを尻目に、じいさんの内心は、うっきうきしています。

――ワシが貰ってきたのには、大判小判が入っておった。
こんなに大きい葛籠を貰ってきたのだ。
数えきれないくらいの金銀財宝が入っているはずだ。
じいさんは一人、うしうしといやらしい笑いをしておりました。

「ようやく結び目がほどけたわい」
汗を拭き拭き、苦労して取った紐を手にし、爺さんは箱を開けようと手をかけました。

「何が出てくるかな」
じいさんは、ウキウキしながら、箱が空くのを今や遅しと待っております。

「それ!」
ぱかり。

爺さんが蓋をあけると。
その中には皆が思いもしないものが入っておりました。
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