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雀(隣の家)6

ある程度の山中へ。
そこまでくると、雀は近くにある木へ止まり、爺さんに伝えます。

『よいですか?
一旦目を閉じてください。
私がよいと云うまで、目を開けてはなりませんよ』

「あぁ、あぁ、わかったよ」
爺さんは素直に目をつむり、ご丁寧に目を両手で隠しもしました。

その姿に安堵した雀は―――
ボソボソと人にはわからない言葉をつぶやき始めます。

そうして数分。
『もう目を開けてもよいですよ』
雀に云われ、爺さんが目を開けます。
しかし、何ら変わった様子はありません。
何をしたのかのう? そう思いはしつつも、爺さんは口には出さずにおりました。

『さぁさ。この先の道はわかりにくいですから、私から絶対に離れないでくださいよ』
雀はそう云うと、真っ直ぐに飛んでいってしまいます。
慌てて爺さんはその後を必死に追いました。

爺さんは雀を目で追っていたため、
自らの身に起きていることには気づくことがありませんでした。

雀を一歩ずつ追いかけると、爺さんの体はその度ごとに小さくなっていったのです。

『さぁ、着きましたよ』
そう云われた頃には、爺さんの体は雀より少し大きいほどの背丈になっておりました。
雀の迷い道へと入った爺さんは、背丈のみならず、思考能力も減っていき、
自らの体が雀と同じほど小さくなっていることなど、
まるで意に返すことはありませんでした。

「そうか、そうか。ここがお前たちの住処なのか」
爺さんはただ、感心したように目の前に広がる光景をぼんやりと眺めます。


暫くすると、うやうやしく爺さんを向かい入れる雀が現れました。
爺さんはされるがままに、その雀についていきました。

『やれやれ。これで爺さんが帰る時まで、俺の出番は無いか』
そう思った雀は、爺さんが来たことを告げるため、長老の所へと足を運びました。
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