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雀(隣の家)3

『あぁようやく勤めが果たせた。やっと帰れる』

一羽の雀がほっとしながら、パタパタと大空を舞っていました。
空は青く、いい天気です。

このまま、空高く飛んでいけたらなぁ…。
どこまでも続く上空を見上げ、羽根を大きく羽ばたかせ。
この先の限界はどこにあるのだろう?

そんなありえもしない空想に、雀はすぐに現実を見ます。

あんなに高い空を支配しているのは、もっと大きく立派な鳥だけだ。
俺みたいな小さいもんが、行けるわけはない。

空から地面に目を向けると。
フト。思い出しました。

そういえばこの辺りか?
この間、使いに出た奴が云ってたなぁ。
変なもん食べて、結局、腹を下したって。
でもって、その腹いせをしたって云ってたっけ。
その後、どうなったとは聞いてなかったけれど。

ふーむ。
空から興味がそがれた雀は、話しを聞いていた場所付近に翼を傾け、急降下をしました。

『多分、ここだろう』
予測を立てた、その家が見れる場所。
その付近の木に雀は止まりました。

しかし生憎、どれだけ待っても、お目当ての人間が現れてくることはありません。
『やっぱ、アレが効いたのかなぁ』
取り立てて感情を示さず、雀はぽつりとつぶやきました。

まぁ、いっか。
そうして帰ろうと飛び立とうとした雀の目に、なにやら違和感を覚えました。
お目当ての家の隣で不思議な光景を見たからです。
ここいらでは見かけない鳥が、雀にはちらほらと見受けられました。

縄張りを荒らされても困ると思い、雀は自分よりも大きい鳥に向かい、呼びかけます。

『お前等どっから来たんだ?
ここいらじゃ、全く見かけない顔だよな』
雀がそう尋ねると。
『あぁ、俺たち、普段は山奥にいるんだ。山の食糧不足でな。
ここにくりゃ、食べもんが口に入るって噂があってな』
ほれ、あれ見ろよ。
示された先を、どれどれと雀が覗きます。

地面にもみ殻が撒かれ、萎れた葉物が放置されております。
それらは無造作に置かれているというよりは。
整えられて置かれている分、人間が何かしら意図して置いているように見えました。

『なぁ、あれって、俺たちが食っても大丈夫なのか?』
雀は素朴な疑問を投げかけました。
『あぁ。追い返されることもないし。
翌日にも、ああやって色んなもんが置いてあるから大丈夫だろう』
その鳥がそう云うと、羽根を広げ、地面に向けて飛び立ちました。
『ふーん』

その背中を見ながら、
取り立てて興味を持たず、雀はその場から立ち去りました。
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