スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

かごめ10

何もないこの場所に、変化を見せているのは。

私の目の前で楽しげにしている、悪意を持った私だということ。
私の方を向かい、髪をセットして。衣服を整えて。
唯一私とは違う、三日月のような口元を上げて。
私に向けてくる。
いったいどういうこと?

『あれ、私よね?!』
誰に云うでもなく、私はそこにいる子たちに同意を求めていた。

『あなたであって、あなたでない』
答えはすぐに返ってはきた。

『じゃぁ私は誰で、あいつは誰よ!』
これって完璧八つ当たりじゃん。でも、出てくる言葉は止められない。

『あれもあなた。これもあなた』
けれど、事もなげに返してくる。

『ちょっと、あんたね……』
淡々と云うその子に段々と腹が立ってきて、声をあげようとした瞬間。

『な、な!』
目の前に見えている光へ嘆く私に対し、ふいに後ろから強い力で私は引っ張られた。
きゃー。こてん。
悲鳴と私が倒れるのは同時だった。
いたたたた……。ひっ!
後ろへひっくり返って見えたものに、私は心底驚愕した。

逆さに見えるけれど、そこには何人ものワタシが、そろっている。
表情は。楽しそうだったり、悲しそうだったり、怒っていたり。
色々だったけれど。そこにいたのは全部私だった。

倒れた私を、何人ものワタシが囲いこむ。
え? 何? 止めてよ!
そんな私の言葉など、軽く吹かれるくらいにワタシたちが押し寄せてくる。

『やぁ、鬼が返ってきた』『うれしや、うれし』
ワタシたちは手を取り合い、円を創る。
そのまま私を中心に据え置くと、歌い始めた。


♪か~こめ♪ かこめ♪
(ちょ、ちょっと)

♪か~ごの♪ な~かの♪ とーりぃは♪
(あぁそうだ。思い出してきた。私はまた囚われたんだ)

♪い~つ♪ い~つ♪ でーやぁる♪
(これで一生、この場所から出る機会を失った?)

♪夜明けの、晩に♪
(一生、この暗い世界に)

♪つーると♪ かーめが♪ すーべった♪
(こいつらの誰かが、すべって囲いを外さない限りにおいて)

♪後ろの正面、だぁれ?
(私は一生、出れないのかもしれない?)
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。