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かごめ9


私の目に温かい手が触れてきて、暫くするとその手は離された。
『目を開けてごらんなさい』

そう云われ、私が目をゆっくりと開けると。
『え? 何?』
今まで見えなかった光が徐々に、目に入り込んでくるのがわかった。

嬉しさというよりも、驚きが勝る。
自分の手を見てから、辺りをきょろきょろさせる私に向かって、
淡々と言葉を発する子がいた。
多分、それがさっき私を連れてきた子だと思う。
『あなたはあの子の代わり。
ここに居て、ここから外を見ていればいいの』
指差された先を見ると、そこには。

私がずっと探していたものが、そこにはあった。
『やっぱ、夢じゃないんだ!!!』
手を伸ばして、それを掴もうとした瞬間。
“がつっ…”
無常にも、それは手に入らなかった。
『いったーーーい!』
手にしたのは、単なる痛みだけ。
私は思わず悲鳴を上げていた。

今まで無かったのに。
地面以外、どこにもぶち当たるモノなんて存在しなかったのに!
何でいきなり、壁が出来ているの!?

私はすぐに目の前の見えないソレを叩いてみた。
けれど、何の変化も見せない。
叩いたところで、音すら出ない。割れそうにもない。

目の前に見えるのは。
私が意識を無くす前に見たあの三日月の形をした口だった。
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