スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

かごめ4

けれど事態なんて、そう簡単に変わるもんじゃぁない。
2時間ドラマじゃあるまいし……。
ピンチの時に救いの手が差し伸べられる。
なーんて、ことは。起こりっこない。絶対に。
アリエナイ。

そんなご都合主義を期待してしまうほど、
私はメディアに踊らされているくらい、夢見る子になっているのかしら。

馬鹿馬鹿しい。

段々と私の置かれている状況に腹が立ってくる。
それよりも、そんな状況で動けない私自身にも腹が立つ。

目を閉じていたって、何にも変わらない。
身を縮こませていようが、大きく伸ばしていようが同じだ。
誰が救ってくれるわけでもない。

そりゃそうだ。
この場所の中では、私はヒロインじゃない。
単なるそこいらに転がる石だ、モブだ。
でも。
私は私の中じゃ、私が一番の主人公でなきゃいけないのよ!
そうよ、私は私の中では、私が主人公なのよ。
だから、私の中では何でも出来るはず。

現実なら。
主人公の私から動かなきゃ、何かしなきゃ、働きかけなきゃ。
何も変わるもんじゃない。
だって、どんなドラマだって、主人公が動かないと始まらないんだから。


『はぁ……』

人間、開き直ると自暴自棄になるのか。
怒りは人を奮い立たせるのか。
それとも単に、私の性格がそうなのか。

そんなくだらないことを考えながら、諦め半分、私はその場に身を投げ出した。
縮こまっているのも、もう飽きた。
嘆いていることにも、もう飽きた。
どうにでもなれ。ってとこ。
ここで死ぬのだって、どうなるのだって、もうどうでもいい。
けれど状況がわからないのだけは如何ともしがたい。

枯れ尾花は、見えたものから勝手に恐怖を想像するから怖いけれど。
でも本当は、見えない方の恐怖が勝るはず。
目を閉じている方が、変な想像力を持っているほうが、
よっぽど恐ろしいということ。
見えなくても「見えない」を認識すりゃいいだけだ。

動いていた体が、いきなり動かなくなるのが怖いのとおんなじだ。
元々持っていた、見えている能力が無くなることの方が恐ろしいに決まっている。
だから目を開けてみた。

目を開いてみたけれど。
やっぱり暗闇しか広がっていない。
はぁ…。期待はするもんじゃないな。

それでも、おんなじように思える暗さでも。
目を瞑っている暗さとは大違い。
まぁ、気分の問題かもしれないけれど。

幸い、私が考えているような魔物みたいな変なもんは出てこない。
そう判断した。

『ははは。やっぱ何にも見えないけれどね!』
どんなに声を張り上げても返事は無い。
音は暗闇に食べられてしまうようにどこにも響きあたらない。
大声を出したところで、誰にも聞こえないみたい。


だったらいいや。
『・・・・・・・・・・・・・・!!!!』
ここぞとばかりに人には云えないことを、大声を張り上げてみた。
でも、誰からも返事は戻らない。
何だか段々と虚しさが広がるのは気のせい?

『やっぱ、だめか』
はぁ、とため息が一つ漏れる。

ホント、私は何を期待していたんだろう?
罵声を浴びせれば、どこかから返事があるって。
まだ、何かを待っていたのかな。
でも、これで検証出来た。
何も変わらないってこと。
何もいないってこと。

何だか憑き物が落ちたみたい。
はぁ。何度目の溜息だろう?

それから私は気づいたように、自分の体を手探りで触ってみた。
何となく、落ち着かないのもあったのかな。
頭の上から下まで。
どこも欠損していないし、きちんと動く。

それだけで、ようやくなんだか安心出来た。
私が私である証拠だから。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。