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Dish 8

そんなある日のこと。
客へ出す前に並べられた、料理の盛り付けられた皿たち。
その中の内の一つの皿。
それには綺麗さっぱりと何も乗っかっていませんでした。

そうです。
皿はヒビの間から、自らの上に乗っかった料理を全部平らげていたのです。

“今日のもんは、一段と味わいぶかかったなぁ”
満足していた皿がうとうとしていると、いきなり声が聞こえてきました。

“んだよ、いい気分に浸っていたっちゅうのに”
気が付くと、大勢の皿の中からいきなり引っ張り出されました。

“な、何すんだよ!”
いくら怒鳴ったところで皿の声は人間には聞こえません。


「ほ、本当に料理が消えたんですよ!」
若手のウェイターは料理の消えた皿を先輩に見せました。

「んなことある訳ねーだろ」
先輩は全く取り付く島がありません。
けれどもあまりに若手がうるさいものなので、先輩はうんざりしてしまいました。
ふと見ると、見習いの作った料理が目に入ります。
「だったら、そこにある料理を乗せてみろ」
先輩に云われるまま、ウェイターはその料理を乗せてみました。
が。

”うえぇ、まっず。こんなのいらない!”
次に置かれた料理に対し、皿は自らのヒビをふさがんばかりに体を縮こませました。
ヒビの中にはどんな汁1滴すら入りません。
そのため、皿の上は何の異常も見当たりませんでした。

一分、二分、……十分。
「十分だろ、時間の無駄」
「あれ? おかしいな?」
「忙しいんだよ、さっさと運べ!」
先輩に頭を叩かれつつも、
おっかしぃなぁ? 
新人はどうにも納得がいかないまま、空になった皿を厨房に戻し、仕事に就きました。
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