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Dish 6


もしかしたら、俺の性格が変わるのかもしれん……。
それを考えるとぞっとする。

とはいえ皿は以前のように、自身に乗っかる物に文句を云うことも無くなりました。
なぜならば。
ヒビから浸み込むモノは、皿をどんどんと元気にしていったからです。

元気が出る。
それがわかると、皿は段々と体に乗っかるその荷物を味わうようになりました。

今日の味は、気分をゆったりさせてくれる。
この味は、元気になる。
これは、寒くなる。
などなど。

毎日変わる味わいに、段々と舌も肥えていきました。

体内にそれらの食材を取り入れた皿。
皿自身はそのせいで、どんどん綺麗なブルーに変化したことを知らないままでいました。




「おや、こんな綺麗な皿があったのか?」
料理人はその綺麗な色の皿を重宝しつつ、以前よりも、その皿の出番は増えていきました。


そんなある日のこと。
厨房にはいつものように声がかかります。

「はい、出来た。3番テーブルもってって!」
「了解!」

ウェイターが何気に皿を見ると。
クリームで絵付けされている模様が歪んでいるのに気付きました。

「おや? いつも完璧に仕上げる料理人なのに」
ちらりと厨房をのぞくと、そこはいつも以上に大わらわです。
それを見て、ひとり納得したウェイターは呟きました。
「今日は格別に忙しいもんな、こんなこともあるさ」

そうして、そのちょっと不恰好になった料理をそのままテーブルに運びます。
「どうぞ」
「わぁ。美味しそう」
にっこりと笑う子供の姿に、ウェイターはさっきの疑問もどこへやら。
微笑みを返します。
「どうぞ、ごゆっくりご賞味ください」
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