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白雪と小人たち

翌日。
魔女はつやつやしたリンゴを数個、ドワーフに渡しました。
「決してこれはお前たちが食うんじゃないよ!」
そう念押しをして。

「さて、どうして食わしたもんか」
「意外と勘がよさそうだから、あげたところで『テメー等が味見しな』とか云いそうじゃないか?」
「戦利品の一環として放置でもしておいておく?」
「それじゃ、いつ食べるかわかんないよね」
うーーーん。
「だったらこういうのはどう?」

ドワーフは器用にも料理をし始め、熱々のアップルパイを2皿焼き上げました。
「こりゃ、うまそうだな」
「間違えるなよ、この部分に魔女のリンゴが入っている」
「わかった、わかった」

「白雪様、熱々のアップルパイが焼けましたが、食べますか?」
警戒していた白雪は、いらない、とそっけなく答えます。
「そうですか、折角の熱々なのに。じゃ、少し残しておきます」
そう云って、白雪の分を切り分け、ドワーフ達は普通のアップルパイを美味しそうに平らげ、仕事に行きました。

家の中に誰もいなくなり、白雪はドワーフ達の食べていたアップルパイが気に成りました。
「うまそうだったわよね。ここじゃ、甘いもんなんて滅多に食べられないし」
ごくり。
白雪の分として残されたアップルパイを手に取り、食べた瞬間。
特には何も起きませんでした。
お腹が満たされ睡魔に襲われた白雪は、そのまま机に突っ伏して寝てしまいました。

トントントン。「誰かいませんか?」
行商人に化けた魔女が、ドワーフの家の扉を叩きます。
「ん、なによ、人がゆっくり眠っていたのに」
と目を覚ました白雪は、肌の感触がいつもと違うのに気付きました。

「うぎゃーーー!」
突如聞こえた悲鳴に驚いた魔女は、返事を待たずに扉を開けました。
「どうなさいましたか?!」
そこにいたのは、あれだけ真っ白だった肌が、褐色になった白雪がそこにいたのです。
パニックに陥っている白雪に向かい、
「あぁぁ、これはいけません! この薬をお飲みなさい!」
と、ある薬を手渡します。
普段なら警戒する白雪でしたが、この時ばかりは警戒心は解かれていました。
云われるまま、魔女の渡した薬を飲むやいなや。

「ぐーーーーー」
白雪は速攻、睡魔に襲われました。
魔女の薬は永遠に寝てしまうという、コールドスリープだったのです。
やれやれ、一仕事を終えた魔女は、後始末とばかりにドワーフの作ったアップルパイを処分し、彼等の帰宅を待っていました。

とんとんとん。
「よう、お帰り」魔女が声をかけると、扉の外では歓声が上がります。
ドワーフ達が帰ってきたのです。

「首尾よくいったんだね」「よかったよかった」
仲間と祝福しあっているドワーフに向かい、魔女が冷静に話しかけます。
「で、どうしようかね、これ」
ドワーフの3倍はあろうかという長さの白雪です。

「これ、どうしようかねぇ?」
「そうだねぇ、家に居れておくのも邪魔だし」
「蓋を閉めておけば、雪や雨風も入らないしいいんじゃないの?」
満場一致で、白雪を箱に入れ、屋外に放置することに決めました。
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