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額縁 4-4

何度も何度も。
少女は彼の前にやってきました。

日を追うごとに少女は成長し、いつしか綺麗な女性に成長しています。
けれども、彼女の顔から。その陰りが消えることはありません。
この国で生きると決めても、彼女はどこか寂しそうでした。

いつも彼の前に、彼女はただぼんやりと立っていました。
彼はそんな彼女を心配していましたが。
その頃には。
彼は曾孫を使い、少女に対して小石を投げることをしなくても。
曾孫は自分の意志で、彼女に近づこうと行動していました。


しかし、我が曾孫とはいえ。
こんな茶番劇を考えるとは。
粋ではないなぁ。
もっとうまいやりようがあっただろうに。
それでもまぁ、お手並み拝見といこうか。

彼は二人のやり取りを、景象を眺めることにしました。

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